客単価アップを目指す飲食店が、リッツ・カールトンの「おもてなし」に学ぶべき顧客満足度向上の方策

客単価アップを目指す飲食店が、リッツ・カールトンの「おもてなし」に学ぶべき顧客満足度向上のとりくみ

リッツ・カールトンのおもてなし

「お金」と「チーム力向上」で
愛知県の飲食店のビジョン実現を
戦略的に加速する税理士の山内聖堂です。


前回の

リッツ・カールトンに学ぶ従業員満足度向上のしくみ

に引き続き、リッツ・カールトン大阪の設立に
大きく関わった四方啓暉氏の
「リッツ・カールトンの究極のホスピタリティ」
から、顧客満足について述べようと思います。

リッツ・カールトンの「おもてなし」についての考えが
そのクレドに示されているのでご紹介します。

「リッツ・カールトンは

お客様への心のこもったおもてなしと

快適さを提供することを

もっとも大切な使命と心得ています。


私たちは、お客様に心あたたまる、

くつろいだ、そして洗練された雰囲気を

常にお楽しみいただくために

最高のパーソナル・サービスと施設を

提供することをお約束します。


リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、

それは、感覚を満たす心地よさ、

満ち足りた幸福感

そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも

先読みしてお答えするサービスの心です。」


リッツ・カールトンが目指す満足とは、
例えば、レストランにおいては、

「驚いた!」
「忘れられない!」

といった言葉を頂くことだそうです。

四方氏は、

「高いお金を払って、良い食材の料理を
食べているのだから、美味しいのは当たり前。
それ以上の感動が無ければ、リピーターを獲得することなど出来ない。」

と仰っていました。

リッツ・カールトンの顧客獲得戦略

リッツ・カールトンでは、新規客獲得のためにかかるコストが
リピーターを獲得するためのコストに比較して
8倍かかると試算しており、
そのために、リピーターを獲得することにこだわっています。

そのためインテリアコンセプトは、

「18世紀英国風、憧れの我が家」とし、

サービスコンセプトを、

「ある程度高年齢のビジネスマンが
憧れの第二の我が家でくつろいで過ごすこと」

と定めています。

またそこで提供されるべきサービスは、

「家族のように接するサービス」であり。

そう接することが、顧客満足度を高め、
リピーターを
作っていくのです。

顧客満足とは?

私は、

人は、商品やサービスを購入することにより得られる
「快適さ」に対して金銭を支払う。

と考えています。

そして、

商品やサービス購入のために支払った金銭に対し
得られた快適さが高いと感じるとき、
人はその商品は「コスパが良い」と感じる

と考えています。


つまり「コスパが良い」状態を

快適さ>支払った金銭

と定義しています。

そして、得られた快適さが、
支払った金額に比べてはるかに大きい時、
そこに感動が生まれると考えています。

感動が生まれるとどうなる?

感動が生まれると、その「快適さ」が顧客の記憶に強く刻まれ、
また使おうという消費行動が生まれます。

また、感動が生まれるほどの商品は値上げをする余地が生まれます

感動するほどの商品を何度も購入する消費者は、
その商品のファンになります。

ファンの多い商品は、価格の決定権は供給者側に委ねられます。

例えば東京ディズニーリゾートが3年連続で値上げをして
話題になったことがあります。

その時の東京ディズニーリゾートは、値上げの理由を

「ディズニーリゾートの2パークにおいて

快適な環境づくりに向けた改善を行うなど、

ハード、ソフトの両面でパークを訪れるゲストの

体験価値向上に努めてまいりました。

今後も、テーマパーク価値向上により

創出されたキャッシュを、ハード、ソフト両面に投資し、

更なるクオリティの向上を図ることで、

ここだけでしか体験することができない魅力的に満ち溢れた

世界で唯一のテーマリゾートを目指し、

更なる成長を目指してまいります。

と説明しています。

今回なんとなく調べて分かったことですが、
これは凄いことです。

なぜ値上げできるか?

東京ディズニーリゾートは、

「体験価値が上がったから値上げした。」

のではなく、

「体験価値が上がったのはもちろんだが、
将来の体験価値向上のため値上げする。

と言っているのだ。

つまり、将来もっと良い商品を提供するから、
値上げをさせてください。

と言っているのです!


値上げをするときに絶対に必要なマインドは、
消費者に対して、その商品の価値を明確に説明出来ることです。

少なくとも、経営者がその価値を言語化し、
心の底からその価値があると信じる必要があります。

飲食店においては、商品に対する「こだわり」を
メニューやPOPに表現することにより、
その価値を明確に説明する努力が必要です。

京セラの創業者の稲盛和夫氏

「値決めの目標は、
お客様が喜んで買って下さる最高の価格を見出すことだ。」

とおっしゃっています。

経営者は安易に値下げせず、
その商品を最も高い値段で売る努力をする必要があります。

因みに、東京ディズニーリゾートの値上げが
どういう結果を生んだか調べてみました。

入場者数は減少したみたいですが、
オリエンタルランドの売上高は過去最高を更新しています

ディズニーリゾートの値上げは、ファンの納得を得られていると言えます。

リッツ・カールトンの顧客満足度向上のために最も重視しているもの。

話をリッツ・カールトンに戻します。

リッツ・カールトンが顧客満足向上のために
最も重視しているのは、お客様一人一人の情報です。

リッツ・カールトンが目指すサービスは、

「家族のようにお客様の事を知り、もてなす」事です。

まずは、お客様を家族のように知らなければなりません。

そのため、いかにお客様から情報を集めるかに注力しています。

例えば、リッツ・カールトンの共有通路は、
プライバシーに配慮して、一直線ではないのですが、
「我が家」である事を重視しているため、案内表示はしていません。

サービスとしてはすこぶる不便ですが、
その不便さこそが情報収集のしくみだそうです。

通路でキョロキョロするお客をを見つけると、
従業員はそのお客に声をかけ、目的地まで案内します。
その時間こそが情報収集のチャンスなのです。

そして、その集めた情報を元に、

お客様が言葉にされない願望やニーズをも
先読みしておこたえするサービス

を提供するのです。

もし、あなたのお店が高級店を目指すのであれば、
リッツ・カールトンのこのような考え方、アイデアは
参考にすべき点が多くあります。

そして、リッツ・カールトン同様、経営理念を浸透させ、
全ての従業員が最高のサービスを提供できるチームを作りましょう。


もし、

あなたのお店が
リッツカールトンのようなおもてなしを目指すのであれば、

それが可能なチームを作らなければなりません。


飲食店のチーム作りはこちらをご覧ください。

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