人の「自己表現」を理解して、飲食店の多店舗化を実現する強いチームを作ろう
両極端な夫婦
愛知県の「オモロイ」飲食店の創業や多店舗化を
「お金」と「チームビルディング」で
戦略的に加速する税理士の山内聖堂です。
先日、
サロンと飲食店の複合店を開業する予定のご夫婦が
開業準備についてご相談に訪れました。
今まで奥様が個人事業としてやってきた事業を、
息子さんや娘さんも一緒になって会社を設立し、
事業を始める予定との事でした。
事業内容や経験、
開業に対する思いを話していただきましたが、
お話をされるのはほとんど奥様で、
共同経営者の旦那様は全く口を開きません。
お互いが信頼し合っているのは伝わってくるのですが、
旦那様の意見を確認する作業が必要だと思い、
「(奥様はこう言っていますが)旦那様はどうお考えですか?」
と要所要所で確認するよう意識して話を聞いていました。
奥様は話も面白く、
素直に自分の情報を開示されるので、
わずか一時間の面談で、
思考特性のどこが強くて、
どこが弱いか予想できるほどでした!
しかし、
旦那様の思考特性は全く分かりません。
人の思考特性は、
効き脳診断で把握することができます。
「効き脳」の違いが素直に表れないのはなぜ?
多店舗展開を自律的に実現するような
創造性の高いチームをつくる
チームビルディングには、
チームに所属するメンバーの
「効き脳」について理解することが必要だ。
と何度も説明してきましたが、
もう一度「効き脳」について復習します。
人間に「利き手」や「利き目」があるように、
脳にも「利き(効き)」があります。その脳の効きを「効き脳」といいます。
「効き脳」の違いにより、
思考特性(物事の捉え方や考え方)が人それぞれ異なり、
表れる言動も異なります。
出典:フォルティナ株式会社
この思考特性は、
図のようにA・B・C・Dの4区分に分けられます。
Aの強い人は、
論理的に物事を考える人。問題解決能力は高いのですが、
Aの弱い人からは「理屈っぽい!」と思われる人です。
Bの強い人は、物事を堅実に考える人。計画遂行能力は高いのですが、
Bが弱い人からは「融通が利かない!」と思われる人です。
Cの強い人は、人間関係を最優先に考える人。対人関係能力は高いのですが、
Cが弱い人からすると「馴れ馴れしい!」と思われる人です。
Dが強い人は、広い視野で全体的に物事を捉えられる人。革新的なアイデアを出すのが得意ですが、
Dが弱い人からすると「現実を見ようよ!」と思われる人です。
このように「効き脳」は、
「強み」にもなれば「弱み」にもなります。この「効き脳」診断を企業において行うと、「効き脳」のタイプが似た人同士でも、全く違うタイプに感じる人たちがいる。
「なんで???」
ということが起こります。では、なぜ思考特性である「効き脳」のタイプが同じでも、他人から見ると全く違う
ということが起こるのでしょうか?
効き脳が同じなのに何故印象が異なるのか?
人はよく、「あいつとは性格が合わないなぁ..」と言ったり感じたりすることがあります。では、そもそも性格とはいったい何なのでしょうか?この本によると、性格は「思考」「行動」「価値観」で分類され、分類の難しい「価値観」を除く、「思考」と「行動」の両方が分かれば、その人の性格の大部分が分かるのではないか?と考えています。つまり、「効き脳」による「思考特性」の理解だけでは不十分で、「行動特性」まで理解して初めて自分や相手の事を理解していると言えるのです。エマジェネティックスでは、人間には「3つの行動特性」があるとしています。その3つとは、「自己表現」「自己主張」「柔軟性」の3つです。今回は「自己表現」についてお話ししたいと思います。
「自己表現」って何?
「自己表現」を簡単に言うと、
自分の思っていることを、
他人に話したいか、
話したくないか。
です。
自己表現が強い人は、
例えば食事のときに、
「おいしいね~」などと感想を述べるなど、
自分の事を話したり表現したりするのが大好きです!
また注目を浴びるのも好きで、
目立ちたがり屋でもあります。
イメージとしては、
明石家さんまさんみたいなタイプです。
一方、自己表現が低い人は、
感情をあまり表に出さず、
口数も少ないので控えめな印象を受けます。
人の注目を浴びるのも苦手で、
あまり目立ちたくないと思う傾向にあります。
イメージとしては、
高倉健さんみたいなタイプかと・・。
(あくまで私のイメージです!)
最初に紹介した奥様は、
自分の強みや弱みや価値観を、
(弱みは笑いに変えて)明るく表現していました。
反対に共同経営者である旦那様は、
終始寡黙にしているため、
思考特性や意見は全く表に現れてきません。
そこで私が行ったのは、
二人の「自己表現の強さ」を合わせる(努力をする)
ということです。
旦那様に意見を求めたり、
意見に相違がないか確認しながら、
旦那様の自己表現を強めることに注力したのです。
自己表現の強さの違いが組織に及ぼす影響をチームビルディング的に考える
自己表現の強弱の違いは、
血液型や効き脳(思考特性)の違いと同様、
どちらが優れているとかではありません。
ただ、表現のしかたの違いでしかないのです。
友人関係などでは、
あまり問題視されることはありません。
では、会社において、
自己表現の強弱の違いが問題になるのはどんな時でしょうか?
会社で両者の違いが端的に表れるのは、
会議の場においてです。
自己表現の強いタイプは、
放っておくとどんどん自分の意見を述べます。
世の中では、
それを積極的と評価する場合もありますが、
ただ思いついたことを口に出さずにはいられないだけです。
逆に、自己表現の低い人は、
それを黙って聞いています。
反対意見があっても司会者などから促されないと、
その意見を口にしません。
では、
そのような会議で決まった目標は
果たして達成できるでしょうか?
残念ながら
「社員の強みを活かして
飲食店の多店舗化を実現する!」
というような高い目標の達成は
なかなか難しいでしょう。
社員の強みを活かす
チームビルディング的に目標の達成を目指すには、
何より社員全員の「共感を得る」ことが大切です。
共感を得るには社員全員が、
自分たちで決めないといけないのです。
自分たちで決めたら、
そのときから
その目標は「自分ごと」になります。
人は、「自分ごと」に対しては、
自律的に行動するのです。
飲食店のチームビルディングで共感を得るポイントは?
重要なのはコミュニケーションを
チームに属するメンバー全員が納得するまでとることです。
そのためには、
自己表現の強いメンバーは
自分の自己表現を適度に抑え、
自己表現の弱いメンバーの意見を引き出す努力が必要です。
一方、自己表現の弱いメンバーは、
自己表現の強いメンバーに頼るだけでなく、
自己表現を強める努力が必要です。
「コミュニケーション」については、
もっと伝えないといけないこともあるのですが、
長くなり過ぎたので今回はここまでにしようと思います。
今回は私の強み(弱み)である
論理的な「効き脳」Aが出過ぎて、
文章が長くなってしまいました。
まだまだ修行が足りませんね(笑)
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