西野ジャパンの躍進に学ぶ、生産性の高い飲食店の作り方~サッカー日本代表の組織作りから、飲食店の経営について学びましょう

西野ジャパンに学ぶ、生産性の高い組織の作り方~U理論~サッカー日本代表の躍進から、飲食店の経営について学びましょう

サッカー日本代表のチーム力急上昇にみるチーム作り

愛知県の飲食店の開業や多店舗化を
「お金」と「チームビルディング」で
戦略的に加速する税理士の山内聖堂です。


愛知県の飲食店に特化した税理士が、
飲食店の経営を改善する
飲食店の組織開発についてお伝えします。


今夜、

ロシアW杯で日本代表がポーランド戦を迎えます。


日本代表のチームとしての上昇度を見ていると、

チーム作りや組織づくりについて
いろいろ考えるところがありますよね。

 

セネガル戦後のサッカーコラムを読んでいると、

「ブラジルW杯の日本代表は、
 今のようなサッカーをしたかったのではないかと感じる」

といったコラムが散見されます。


どちらのチームも、

「日本らしい」チームを目指し

W杯を戦っています。


では、

なぜザックジャパンは1勝も出来ずに終わり、

西野ジャパンは決勝進出を争うところまで来たのでしょうか?


理由は、

相手関係やコンディションなど様々あり

一概には言えないでしょう。


しかし、

組織開発の観点から思い当たる点もあるので、

今日はそのひとつについてご紹介したいと思います。

日本代表の躍進を見て感じること。

日本代表の第二戦、

セネガル戦を見たサッカーファンは驚いたと思います。


GKのミスから先取点を与え、

30分程度一方的に押し込まれながら、

状況を打開して一度追いつき、

ペースを握るも相手の個人技の前に勝ち越しを許すのですが、

残り時間が少なくなって追いついたのです!


W杯クラスの大会において、

日本代表がここまでの反発力を見せたのは
ほとんど記憶にありません。

コンフェデレーションカップのブラジル戦くらい?


セネガル戦を見て、

日本代表は世界に伍して戦える。

といった実感を得た人も多いでしょう。


では、

なぜセネガル戦のような対応力・反発力を見せれたのか?


ひとつの解として、

今回はU理論というアプローチを紹介します。

人と組織にイノベーションをもたらすU理論とは?

U理論とは、

マサチューセッツ工科大学の

C・オット・マッシャ―博士によって提唱された、


「イノベーションを起こすための
原理と実践の手法を明示した理論」

です。


今回の日本代表のように、

過去の日本代表に見られなかったような対応力を

チームとして身につけようとする場合に、

システムなどの組織のやり方だけでなく、

「内面のあり方」に注目しているところに、

理論としての特徴があります。


なぜU理論と言うかというと、

問題解決のプロセスを、

アルファベットのUの字のカーブを描くモデル図として

表現しているから...みたいです(笑)





ただ、

このU理論

「あり方」にまでフォーカスしているため
めっちゃ難しいです(笑)


私も完璧に理解している訳ではありません。


しかし、

人との関係や組織において大事だ!

と感じているので、

自分なりに解釈して実践しようと努力しています。



U理論においては、

問題解決に向かうあり方、

つまり、

「内面の状態のレベル」を

4段階で説明しています。


レベル1 主観で観る(ダウンローディング)

過去の経験からくる自己の常識に囚われている状態。


過去の成功や失敗といった経験に意識が支配されており、

思考や行動がパターン化されています。


そのため、

新しい考えや行動が生まれにくく、

組織の中で同じような問題が繰り返し起こります。

あなたの会社でもそのようなことがありませんか?


このような状態から脱出するカギは、

まずは受け入れる

ことにあります。

U理論では、これを「保留」といっています。


保留という行為は、

意識的に行わないとできません。


意識しないと、

過去の経験に(無意識に)囚われてしまうからです。


昨日、

岡崎選手のインタビューを聴いていて、

今の日本代表はこの「保留」が出来ている!

と感じるコメントがありました。


そのインタビューは、

今の日本代表はコミュニケーションが上手くいっている
(からチームとしても上手くいっている)

という考えで構成されていました。


ハリル前監督の解任理由が、

コミュニケーションの不足だったので、

分かりやすい理由づけだからだと思いますが・・・。

コミュニケーションが上手くいくについては、
以前も書いているのでよかったら読んでください。


インタビュアーの

「なぜコミュニケーションがとれているのだと思いますか?」

という質問に対して、

岡崎選手の答えがこれです。


「ハリル氏が解任されたのは、
俺らのせいだというのが先ずある。」


日本代表のメンバーは

ハリルジャパンも西野ジャパンも大差がありません。


でも、

上手くいかなかったのでハリル氏は解任されてしまった・・・。

それは、

俺たちの責任だよね。

と認めているところが思考のスタートになっている。

ということだと感じます。


つまり、

今のメンバーで同じことをしていては上手くいかない。

という事を受け入れているのです。


受け入れることができれば、

内面の状態は次のレベルに進むことができます。

それが、

レベル2の「観る」という状態です。


レベル2 観る(シーイング)

過去の枠組みを覆す情報に注意が向けられる状態をいいます。


セネガル戦を例にとると、

セネガルの採用したフォーメーションが、

一戦目の3バックから

4バックに変更されてしまいました。


さらに、

彼らの身体能力が、

こちらのイメージを上回るものだったことが、

試合後のコメントからも分かります。


日本は、

基本的に3バックを想定して対策していた(と思う)うえに、

予想以上の身体能力に混乱し、

最初は防戦一方でした。


そこで、

事前に予定していた戦略や、

自分がイメージしていた
相手の身体能力との違いを受入れて、

しっかり相手を観る

ということが出来たのだと思います。


例えば、

長友選手は開始早々にスピードで振り切られ、

左サイドを突破されました。

周囲もそのような事態は想定できなかったため、

チームは混乱し大ピンチを迎えました。


そこで、

長友選手は相手と自分とのスピードを認識し直し、

対応の仕方を変えました。


相手選手との距離を普段より多く取り、

抜き去られないための守り方をしたのです。


しかし、

この守り方では
相手のボールを奪うことはできません。


そこで、
乾選手など他の選手の協力を得る必要が生じます。


ここで必要なのが、

次の「感じ取る」力です。



レベル3 感じ取る(センシング)

自分の過去の枠組みを取り払い、
その枠組みにない新たなモノを探そうとする状態を言います。


組織の中の分かりやすい経験で言えば、

「部下を持って初めて、
以前上司が言っていたことが分かった。」

ということを体験したときの状態をいいます。


こうした状態になって初めて、

これまで自分が感じ取っていたこととは
全く違う次元で状況を感じることができるようになります。


そのような状態でものごとを捉えて初めて、

問題解決の入り口に立てるのです。


左サイドを突破された長友選手は、

対応を変えるとともに、

左サイドというグループで守るために

乾選手に協力を求めます。


しかし、

乾選手にも
本来守るべき相手やゾーンがあります。


お互いの主張をただぶつけるだけでは、

グループとして守ることは不可能です。


ましてや、

二人は自己主張の激しい海外のチームで
レギュラーをつかみ取り、

日本代表にまで上り詰めたアスリートです。


我々一般人よりも、
「俺が俺が」というものが無いと
日本代表まで登り詰める事はできない。

と、ある社長さんが仰っていました。
(だから西野監督はスゴイとも言っていました)


そのような二人が、

問題解決をするためのコミュニケーションをとるうえで重要なのが、

岡崎選手の言うような、

「俺らのせいだというのが先ずある。」

といった受け入れるマインドです。


そのマインドが根底にあるからこそ、

異なるお互いの意見を自然に、

なおかつ、

柔軟に変えることができるようになるのです。


レベル4 手放す(プレゼンシング)

過去のパターンへの執着を手放し、
変化を受け入れることができる状態をいいます。

このような状態になると、

自分と他人との間に境界を感じることなく、

新しい問題解決のアイデアが生まれます。


乾選手と長友選手は対話を深めながら、

左サイドを組織的に守るための方法を模索し、

それが出来るようになったので、

チームに落ち着きをもたらすことが出来ました。


そして、

この2人のコンビネーションから
同点ゴールが生まれたのです!!

ありがとう!乾!


ゴールが生まれる直前、

「(控えの)本田選手が乾選手に何か指示をしていますね。」

と解説が入りました。


そのすぐ後にゴールが決まったので、

二人の間でどのようなコミュニケーションがあったのか
興味津々でしたが、

そのことについて
本田選手はインタビューでこう答えています。


「槙野と相手の右サイドが弱いという点で一致したので、
乾にもっと長友と連携して右サイドを崩すように伝えた。」


つまり、

乾選手のゴールは、

乾選手のスキルだけで勝ち取ったものでなく、

ベンチの控えを含めた総合力で勝ち取ったものだと言えます。

素晴らしい!!

そして、

常にイノベーションを起こす生産性の高い組織とは、

1人の能力に頼らないこのようなチームの事をいうのです。

なぜ、ザックジャパンは上手くいかなかったか?

4年前、

主力選手が盛んに

「自分たちのプレーをして、優勝する。」

というコメントをしていました。


「自分たちのプレー」とは、

ボールを常に保持し、

優位を保ちつつチャンスを生かす。

といったプレースタイルで良いと思います。


現在の西野ジャパンも

プレースタイルは同じだと思っています。


では、

なぜ4年前は上手くいかなかったのでしょうか?


ここからは、

私個人の解釈なのですが、

4年前は、

チームの主力である
本田・長友・香川・内田などが全盛期であり、

直前の試合も上手くいっていたので、

「うまくいかなかったときにどうするか?」

の準備が不十分だったのだと感じています。


ワールドクラスの相手が
対日本で対策を立ててきたらどう対応するか?

言葉の端々から、

想定していなかったことが伺えました。


その結果、

自分たちのプレーを貫き、

木っ端みじんに打ち砕かれたのです。


「矛」と「盾」で例えると、

素晴らしい「矛」はあったが、

「盾」(備え)が無かったため対応できなかったのです。


一方、

今の日本代表の先発メンバーの人選や、

選手のコメントを聴いていると、

まず守備ありきで、

そのうえでどう「自分たちらしさ」を出すか

にフォーカスしていると感じています。


「盾」で守りながらも、

「矛」を隠し持っているイメージを持っています。

あなたの飲食店もザックジャパンになっていませんか?

日本代表に起こったようなことは、

飲食店の経営や組織づくりにおいても起こりえます。


社長が

「今年の目標は売上2倍!」

と言っても、

社員が2倍以上の生産性で動かなければ、

売上2倍は達成できません。


高い目標に社員が疲弊して、

社員の心が離れていくのがオチです。

ハリルさんのように・・・。


ランチタイムのオペーレーションが
スムーズにいかないのを、

調理スタッフはホールスタッフのせいにし、

ホールスタッフは調理スタッフのせいにしている・・・。


こういった組織にならないように、

まずはスタッフそれぞれが、

お互いの価値観や主張を受け入れ、

それぞれの強みを活かし
組織として生産的なアイデアを生み出す土壌を創り出すことが、

経営者にとって大事だと考えています。


スタッフ1人ひとりの強みを
最大限に活かした飲食店経営を目指しましょう!


今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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