愛知県の飲食店の開業や多店舗化を
「お金」と「チームビルディング」で
戦略的に加速する税理士の山内聖堂です。
愛知県の飲食店に特化した税理士が、
飲食店の経営を改善する
飲食店のチーム作りについてお伝えします。
サッカーW杯。
決勝進出チームが決まりました。
クロアチアは三戦連続で延長戦を戦い、
休養日も一日少ないなかで決勝を迎えます・・。
不利な状況のなか
どのような戦い方をするか個人的に楽しみにしています。
前回のコラムでは
チームが成長する段階を説明する
タックマンモデル
を紹介しました。
前回のコラムはこちら
今回は、
西野ジャパンが監督交代後、
大方の予想に反してベスト16まで
勝ち進むチームに変貌していく過程を、
タックマンモデルを使って具体的に説明します。
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今回のコラムは、
タックマンモデルを説明するために、
西野ジャパンが成長段階において
「多分こんな軌跡をたどったんだろうな~。」
と私が感じている事を、
西野監督のコメントから推測しています・・・。
タックマンモデルとは、
学者のブルース・タックマンが考案したもので、
チームが成長する段階を4段階で説明したものです。
チームが成長するには、
1.形成(Formig)2.嵐(Storming)3.秩序(Norming)4.成果(Transforming)の4段階を経るというものです。

では、
西野ジャパンはどのような経過を踏んで
ベスト16という
「成果」にたどりついたのでしょうか?
1.形成
メンバーが集まり、
関係性が築き始められる段階。
時期的には、
西野監督が代表監督として初めて代表候補を集めて、
ガーナ戦に臨むまでの期間です。
代表メンバーにサプライズは無かったが、
監督が変わったことにより、
選手の中に期待感が生まれています。
ただし、
ハリルホジッチ前監督に重用されていたメンバーは
不安を感じていたかもしれません。
ガーナ戦を経て、
西野ジャパンの代表の23名が選出されています。
2.嵐他のメンバーに対して
本音や意見が言えるようになる反面、
メンバー間のさまざまな違いが明らかになり、
意見の衝突などが起こり不安な気持ちになる段階。
時期的には、
ガーナ戦から0-2で敗れたスイス戦までの期間。
西野監督は、
ハリル前監督時代の反省を生かし、
勝つ可能性を1%でも上げるために、
ミィーテイングでは選手からの意見を積極的に募り、
監督やコーチは、
話し合いの行方を見守ることに専念しました。
しかし、
選手が各々の考えを述べるために、
最終的な方向性が定まらず、収拾がつかない場面も多々あったそうです。
結果、
スイス戦でも
チームの意思統一は図れず、いいとこなく敗れています。タックマンモデルの図を観ていただくと、
嵐の時期はチームの不安の中にいます。ファンも不安の中にいましたね!
嵐の時期にチームを上向かせることが出来ない場合、
チームは絶望に向かい、バラバラに空中分解してしまいます。または、成果を目指すことを止めてしまいます・・・。ドイツW杯やブラジルW杯では、
日本代表は戦前の期待は共に高かったのですが、
予選を突破するためには勝つことが絶対条件となった
予選第3戦めのブラジル戦やコロンビア戦で、
相手に勝ち越しゴールを奪われると、
その後は
チームとしてのまとまりを失い、雪崩をうって失点をしてしまいました・・・。チームが不安の谷を抜け、
「成果」に導くために必要なのが、チームが「成果」に向かって良くなる!というヴィジョンを
チームのメンバーが共有していることです。
西野ジャパンは、
本番までには必ずチームは良くなると監督やメンバーは信じていました。一方、
ドイツW杯でのブラジル戦や、
ブラジルW杯のコロンビア戦では、
勝ち越された段階で、
常識的に予選突破は非常に厳しいものとなり、
メンバーが、
「予選突破はできる!」というヴィジョンを共有できなくなったため、チームがバラバラになり大敗を喫してしまいました。3.秩序チームの規範やルールが確立される段階。
コミュニケーションにおける約束事や、
物事を生産的に進めるやり方・役割分担が確立され、
不安だったメンバーの心に希望の光が灯される状態です。
時期的には
スイス戦後からコロンビア戦までの時期です。
スイス戦後、
整っている男、
キャプテン長谷部選手が動きます。
西野監督と個人面談して、
「最後のところは
監督がしっかり方向性を決めてください。」
「そうじゃないとまとまりません。」
と進言したそうです。
つまりは、
リーダーシップを発揮してくださいとお願いしました。メンバーが意見をぶつけ合った後に、
最後はリーダーが決める。
メンバーも主張したいことは主張しているので、最後にリーダーが決定を下してもメンバーの納得感が違います。経営者が一方的にで命令した場合と違いますよね。
経営においてもこのようなプロセスは大事ですよね。
メンバー全員で
チームの決め事(基準)が明確化され、
さらには共有されているので、
その基準からズレる事態が生じても、
その修正は容易になっていきます。
明確化された決め事の数が増え、
それが共有化されたため、
チームの
組織力は飛躍的に進歩しました。
最後のテストマッチ。
パラグアイから4点も奪って勝利したことで、
選手たちの心にも
「俺たちはやれる!」
という希望の灯がともったことでしょう。
4.成果チームが成果に向けて機能している段階。
メンバーたちはお互いを助け合うことで
団結力と一体感が醸成され、
各自がリーダーシップを発揮する。
メンバー同士の協力関係も確立され、
目標に向かって進んでいく状態をいいます。
W杯予選が始まると、
西野ジャパンはコロンビア戦に勝利し、
セネガル戦は不利な状況から同点に追いつきます。
予選を突破し、
強豪のベルギー代表と好試合を演じるまでになりました。
交代で出場した選手もしっかり結果を残し、
ベンチメンバーも
試合に出ている選手に積極的に意見を言っていました。
西野監督が就任会見で述べた、
「日本の強みである、グループとして最高のパフォーマンスを引き出す化学反応が起こせるチーム」になっていたと思います。
今回は、
西野ジャパンの躍進ストーリーを使って、
タックマンモデルを具体的に説明してみました。
果たして伝わったでしょうか・・・?今回も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。